日本の年金制度は「仕組みが複雑」と思われがちですが、わかりやすく整理して説明していきたいと思います。
日本の年金の仕組みとは
日本の年金制度は「3階建て」
イメージはビルの階層です!
日本の年金制度を3階建ての建物に見立てて、1階から順番にしっかり解説します。
自分がどの階に入るかは、職業や加入状況で変わります。
1階部分:国民年金(老齢基礎年金)
対象:20歳~60歳のすべての人(学生・自営業・会社員・公務員も全員)
目的:老後、障害、死亡のときに最低限の生活を支える
保険料(2025年度):月額 16,980円(全国一律)
受給額(満額・2025年度):年額 約80万円
40年間(480か月)納めると満額
となり納付期間が短いと、その割合で減額
されてしまいます。
その他
・障害基礎年金
対象:病気やケガで一定以上の障害が残った人
条件:障害発生時に国民年金に加入していて、保険料を一定期間納めていること
・遺族基礎年金
対象:国民年金加入者が亡くなったとき、その人に養われていた配偶者またはその子
内容:残された家族の生活支援
2階部分:厚生年金(老齢厚生年金)
対象:会社員・公務員(正社員・パートでも条件を満たせば加入)
目的:国民年金に上乗せして、現役時代の収入に比例した年金を支給
保険料:給与と賞与の合計に18.3%(労使折半で本人負担は約9.15%)
受給額:現役時代の給与平均 × 加入月数 × 給付率(5.481/1000)
収入が多く、長く加入するほど多くもらえる
制度で多くの方が加入しているのではないでしょうか。
その他
・障害厚生年金
・遺族厚生年金
3階部分:私的年金・自助努力
公的年金(1・2階)だけでは生活費が不足しやすいので、企業や個人で積み立てる制度です。
代表例
1. 企業年金
企業型確定拠出年金(企業型DC)
確定給付企業年金(DB)
2. 個人型年金
iDeCo(個人型確定拠出年金)
個人年金保険
全体イメージ
【1階】 国民年金(最低限の生活保障)1階は全国民が必須(基礎部分)
【2階】 厚生年金(給与比例)2階は会社員・公務員が追加で加入
【3階】 企業年金・iDeCo・投資(自分で備える)3階は任意(やった人だけ上乗せあり)
注意点
保険料の未納は要注意です。未納があると将来の受取額が減ってしまいます。
免除制度を使えば「全額免除」でも将来の年金額に一部反映されます。
受け取り開始年齢の選択も有り、65歳が標準だが、60歳から繰り上げ受給もしくは75歳まで繰り下げ受給も可能です。
早くもらうと減額となり、遅くすると増額(最大84%増)されます。
実際のシュミレーション
では「65歳から実際に毎月いくらくらいもらえるのか」をイメージできるように数字で例を出してみましょう。
※2025年度基準・40年間フル加入・物価変動なしのざっくり試算です。(実際は物価や賃金、加入年数で変動します)
1. 自営業(国民年金のみ・1階)
加入:国民年金(1階)
年金額:年 約80万円
月額:約 6.6万円
1階:国民年金 → 月6.6万円
2階:なし
3階:なし(自分で準備しない限り増えない)
老後はこれだけだと生活はかなり厳しい。貯金や投資が必須。
2. 会社員(年収400万円・厚生年金ありの2階)
加入:国民年金(1階)+厚生年金(2階)
年金額:
国民年金:約80万円
厚生年金:約70万円
合計:約150万円
月額:約 12.5万円
1階:国民年金 → 月6.6万円
2階:厚生年金 → 月5.9万円
3階:なし(企業年金やiDeCoをやればさらに増える)
独身だとギリギリ、夫婦なら夫婦2人分で妻が専業主婦だと181万円前後、共働きであれば月25万円前後。
3. 高収入会社員(年収700万円・厚生年金ありの2階)
加入:国民年金(1階)+厚生年金(2階)
年金額:
国民年金:約80万円
厚生年金:約140万円
合計:約220万円
月額:約 18.3万円
1階:国民年金 → 月6.6万円
2階:厚生年金 → 月11.7万円
3階:なし(やればもっと増える)
現役時代が高収入だと2階部分が大きくなる。
4. 会社員+企業年金(例:月2万円上乗せ 企業年金等ありの3階)
加入:国民年金(1階)+厚生年金(2階)+企業年金(3階)
年収例:400万円
年金額:
国民年金:約80万円
厚生年金:約70万円
企業年金:約24万円(年2万円×12か月)
合計:約174万円
月額:約 14.5万円
1階:国民年金 → 月6.6万円
2階:厚生年金 → 月5.9万円
3階:企業年金 → 月2万円
結論
年金は「1階=国民年金」「2階=厚生年金」「3階=私的年金」という構造で成り立っています。日本の年金は賦課方式(現役世代が高齢者を支える仕組み)のため、少子高齢化の影響を受けます。将来の受給額は減る可能性があり、3階部分の活用や資産形成が重要です。1・2階は加入が義務ですが、3階部分は自分次第。まだまだ続くであろう物価高や老後に老人ホームに入居する事等を考えると年金だけでは心許ないですよね。老後資金の不足を補うためには、20代〜30代の若いうちからiDeCoや積立NISAなどで積み立て投資を始めることが将来の安心につながります。


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